しょうがないことか

隣の議席のボタンを押して、やっちゃった、ごめんなさいと辞職

した人を見て、原爆を「しょうがないこと」と言った元大臣を思い

出した。




被爆者である歌人の、竹山宏さんが3月末にお亡くなりになった。

竹山宏の歌


己が名を叫びつつ山に果てゆきし女子挺身隊員よ 
しやうがないことか


うち伏しし家より空(くう)を蹴上げゐし二本の足よ 
しやうがないことか


水を乞いて夢にさへ足に縋らんとせしたましいよ 
しようがないことか


一瞬にして一都市は滅びんと知りておこなひき 
しようがないことか


六十二年昔をきのふをととひの如くに泣けり
しようがないことか



面倒な事だが孫よ人間はベッドでひとりひとり死ぬのだ


あな欲しと思うすべてを置きて去るとき近づけり眠ってよいか




竹山広歌集『眠ってよいか』